日本人にとって、パールは定番のアクセサリー。
普段使いには勿論フォーマルシーンにも活躍し、特に万能なネックレスはひとつ持っておきたいものです。
ただし、そんなパールには他の宝石と同じように、偽物やイミテーションが多く存在します。
「奮発して購入したパールアクセサリーが本物でなかった!」などという事のないよう、本物と偽物を見分ける為の知識を持っておきましょう。
本物の真珠
真珠ができるまで
真珠は、主にアコヤガイの貝殻の中で作られます。
貝殻の中に核となる物質が入ると、それが膜に包まれ袋状になります。これは真珠袋と呼ばれ、内部で貝殻を作る成分を分泌します。次第に核となった物質の周りは貝殻の成分で覆われ固まり、これが真珠となるのです。
よって、真珠をカットすると断面が層になって見えます。
真珠の特徴
表面に凹凸がある
本物の真珠は、生きている貝から取り出すので、中にある真珠は成長途中であると言えます。その為、真珠の表面はフラットではなく、細かな凹凸を帯びています。拡大して見ると、その表面には波打ったような模様が見えます。
完璧な球体をしていない
真珠は貝による自然の力で形成されるものです。よって、完璧な球体はしておらず、やや変形部が見られます。エクボと呼ばれる傷がある場合もあります。
重量があり、ずっしりと感じる
本物の真珠は、小さくてもずっしりと感じるものです。その重さは、直径1㎝のものでおよそ1.5gです(個体により差があります)。
艶と光沢、色
真珠には独特の艶と光沢があり、内側から滲み出るような輝き方をします。また、キメが細かく、表面に周りのものが映り込みます。
真珠層の厚さによって色に差が出るのも特徴。層が薄いと乳白色に近く、厚いと深みが出てより光沢も増し、真珠層が厚い真珠の方が価値が上がります。
表面に反射した光により、わずかに色味が出る
真珠は表面に反射した光により、わずかにイエローやピンク、ブルーなどの色味を帯びます。
イミテーション、フェイクパールの特徴
イミテーションと偽物(フェイク)の違い
イミテーションとは模倣品のことを指します。イミテーションと謳った上で販売され、客側もそれを了承した上で購入するというケースが多いとされます。
イミテーションと偽物は、「本物を真似して作られた」という点では同じです。
しかし、イミテーションがその事を開示している一方で、偽物はそれを「本物だ」と偽ってアイテムを販売する傾向にあります。
これらは混同されるケースが多いですが、ニュアンスが違っています。
イミテーション、フェイクパールの特徴
表面が滑らかで全く凹凸がない
人工で作られた真珠は、表面に凹凸がありません。触ると滑らかで、引っかかりはなく、完璧なフラットです。
拡大しても、自然に作られた真珠に見られる、ごく小さな表面の模様もありません。
完璧な球体をしている
偽物の真珠は完璧な球体であることがほとんどです。いびつな部分はなく、どの粒も同じように球体をしています。
軽いものが多い
偽物の真珠は軽く感じる物が多いとされています。見た目にも重厚感がなく、安っぽい印象に見えます。
加工部分にアラがある
真珠をネックレスやピアスにする時、表面に穴を開けます。この穴部分をよく見ると、偽物の場合は表面の塗装やコーティングが剥がれていたり、中の素材が見えていたりします。
本物とフェイクを見分けるには
表面に触れる
凹凸や傷の有無を確認します。顕微鏡で表面を拡大して見るのも○。
反射光、重さ、加工部分の確認
光に当て表面に出る色味を見たり、実際に手にしてその重みや加工部分のアラを確認します。
表面に顔が映るかどうか
質の良い真珠であるほど、表面への映り込みははっきりとします。
床に転がす
本物には凹凸が、偽物はフラットなので、転がり方が不規則か否かを確認します。
プロに鑑定を依頼する
専門の鑑定士や、買取店への持ち込みにより、プロの手で鑑定してもらいます。
信頼できる店舗での購入
ブランドや専門店など信頼できる店舗での購入は、価格は張るものの、何よりも確実です。
※フェイクであっても、本物の特徴を敢えて再現しているものも出回っています。
プロの手にかかるのが最も安心です。
身近なイミテーションパールの素材例
プラスチック
プラスチックの玉に、光沢のある加工をしたもの。軽く、耐久性があり、こどものおもちゃにも使用されます。
貝パール
真珠の養殖に用いられる貝の核と同じ物を用い、加工して作られるのが貝パール。
本物の真珠とよく似ており重さもある為、見分けるのが難しいとされています。
ガラスパール
ガラス玉に加工を施して真珠のように仕上げたもの。
光沢や重みはありますが、耐性はあまり高くありません。
コットンパール
近年若い女性に人気なのがコットンパール。
名前の通り、コットンのボールを圧縮して作られています。コットンパールは表面に凹凸があり、独特の優しい雰囲気を持ちます。
これらの他にも、最近では「第三の真珠」と呼ばれる人工パールなども販売されており、より親しみやすいパール製品づくりを行うと会社が多く見られます。
まとめ
真珠の本物も偽物の見分け方についてご紹介しました。
さりげなく華やかな印象を添えてくれる真珠は、貴重で高価な物です。真珠製品を購入の際には、間違えて偽物を買うことのないよう、細かく確認することが大切です。
また、フォーマルシーンには本真珠を、カジュアルシーンにはイミテーションをと使い分けるのもおすすめです。